3000年の歴史と25年の絆

花粉が猛威をふるっていますね。

職場の人たちが無限鼻水地獄に苦しんでいます。

まあ花粉症なんて僕には無縁の話なんですけど。

だいたい僕に鼻水なんて似合わないでしょ。

たまにお尻からマシュマロが出てくるくらいです。

 

この前仕事から帰ると親から「週末そっち行くから泊めてね」という連絡があった。

なにやら弟のオープンキャンパス巡り、関西編が開催されるらしく…

まじかよせっかくの優雅な休日に勘弁してくれ。

週末に来るのはダーウィンだけでいいよ。

そんなことを思いながら気休め程度に掃除機をかけていると、貧乏そうな家族が訪ねてきた。

よく見たらうちの家族だったので中に招き入れる。

すると部屋に入って早々、3ヶ月ぶりに会った息子に対して母親の第一声が

 

「あんたってそんなに中国人フェイスやったっけ?」

 

いやもうクセじゃ!

開口一番クセがすごい!

いきなりそんなクセの塊ぶつけられても上手く返せんわ!

と心の中のノブが困惑していると

 

「髪型が変わったでかな?」

 

いやちょっと髪型が変わっただけで中国人フェイスに見えるなら、そいつもともと中国人フェイスだから!!

それか今の俺が中国人ヘアーってことかよ!!

中国人ヘアーってなんだよ!!

つーか正月に会ったときから髪型は変わってねーよ!!

心の中の三村が大声をあげている。

 

「でもやっぱり今はもうあんたら似とらんね」

 

母親が俺と弟の顔を見比べている。

なにやら最近家で昔の写真が出てきたらしく、小学生までの俺と弟の顔が完全に一致しとったらしい。

まあ言われてみれば昔は似とったのかもしれない。

 

「あんたにも見せてあげたいわ、パッと見じゃ全然どっちかわからんよ」

 

「えっ、そんなに?じゃあどうやって見分けるの」

 

「最初はわからんかったけど途中からある法則を見つけたで見分けるのは簡単」

 

「なにそれどういうこと」

 

「(弟)の写真が、全部無表情なの」

 

「えっ、なにそれこわすぎ」

 

「遊園地での写真も、動物園での写真も、全部無表情」

 

「こわいこわいこわいこわい」

 

「ほらうちの子クールガイやでさ」

 

「いやもう心配になるわ」

 

「わたしはあんたの写真見たときも心配になったよ」

 

「えっ」

 

「あんたは笑っとる写真とかもちゃんとあるんやけどね、ほとんどの写真で…」

 

「うん、なに」

 

 

 

「めっちゃ鼻水垂らしとるの!!!」

 

 

 

すいません、めっちゃ鼻水垂らしてました。

 

 

おしまい